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はじめに

以前、クレイジージャーニーという番組で曜変天目茶碗について放送されていました。番組内容は「陶芸家 九代目長江惣吉」という御仁が出演されていて、曜変再現のために試行錯誤を繰り返すドキュメンタリーでした。その番組内で紹介されていた曜変天目茶碗がとても綺麗で、まさに”器の中の宇宙”と形容するに値するものでした。
そんなわけで、心惹かれた「曜変天目茶碗」について少し調べてみました。
曜変天目茶碗とは?
中国の宋時代に建窯(福建省南平市建陽区)で焼成されたもので、天目山一帯の寺院で用いられた茶道具のことを天目茶碗と呼びます。その中で、とある特徴が見られるものを曜変天目と呼び珍重されてきたという歴史があります。現存するものは3点しかなく、そのすべては日本の国宝に指定されています。
原産が中国なのに日本にしか現存していないのは、ちょっと不思議ですね。
天目茶碗の種類
先に述べたように、そもそも曜変天目とは天目茶碗の1つの種類です。
天目茶碗にはその他の種類もありますので、その代表的なものを下記に記載します。
- 曜変天目 – ようへんてんもく
- 油滴天目 – ゆてきてんもく
- 灰被天目 – はいかつりてんもく
- 禾目天目/芒目天目 – のぎめてんもく
- 木葉天目 – このはてんもく
- 文字天目 – もじてんもく
- 鸞天目 – らんてんもく
これらの天目茶碗の内、最上級とされるのが曜変天目なのです。
それぞれ趣があってよいと思うのですが、やはり曜変天目を見ると他を凌いでおり圧倒されます。
国宝とされた曜変天目
では、日本の国宝に指定された曜変天目を紹介します。
また最初に「現存するものは3点しかない」と記載しましたが、実のところ重要文化財としてもう1点あります。しかし、これを曜変天目と認定するか否か議論があるようで、はっきりと曜変天目として数えられないみたい。
と、いったことを踏まえて、重要文化財に指定されているものを合わせて紹介します。
国宝 静嘉堂文庫蔵
通称 稲葉天目と呼ばれる曜変天目です。
徳川将軍家から淀藩主稲葉家に伝わったことから、このように呼称されているようです。
また、国宝3点の内で最高評価を受けているのは、この稲葉天目です。
外部リンク: 静嘉堂文庫美術館 | 曜変天目(「稲葉天目」)
国宝 藤田美術館蔵
水戸徳川家に伝えられたものです。
曜変の斑紋が外側にまで現れています。
外部リンク: 曜変天目茶碗 | 藤田美術館 | FUJITA MUSEUM
国宝 龍光院蔵
大徳寺塔頭龍光院に伝わるもので、出自がはっきりとしていないようです。
他の曜変に比べ地味ではありますが、”幽玄の趣を持つ”と評されています。
外部リンク: 大徳寺龍光院 国宝 曜変天目と破草鞋(はそうあい)
重要文化財 MIHO MUSEUM蔵
加賀藩主前田家に伝えられたものです。
曜変の模様が内部の一部にしか現れておらず、これを曜変天目とするか未だ議論されているようです。
外部リンク: 耀変天目 – MIHO MUSEUM
実はもう一点あった? – 本能寺の変で焼失した曜変天目-
現存するものは3点なのですが、歴史の上で存在したとされる曜変天目があります。
その曜変天目は、時代の最高権力者に受け継がれたものらしく、足利義政から織田信長へ伝わったとされています。織田信長はこの曜変天目を持ち歩いて愛用していたらしいのですが、本能寺の変により焼失してしまったとのこと。
この曜変天目は”天下第一の名碗”を称されていたらしく、是非にも見てみたかったな。
器の中に宇宙
曜変天目は見る角度や光の加減で、その光彩が美しく変化します。大小の斑紋の淵に輝く玉虫色の光はとても神秘的です。まるで夜空に浮かぶ星々を眺めているようにも感じます。
その様子を、ぜひ動画で確認してみてください。
終わり
私には曜変天目に憑りつかれる陶芸家の気持ちがよくわかります。
と、軽はずみなことを言うと怒られそうなのですが、やはり初めて見たときの衝撃はかなりのものでした。現在、曜変天目の完全再現は難しいようなのですが、京都市の京焼・清水焼の窯元 陶葊(とうあん)「4代目土渕善亜貴」 という方が、曜変天目に最も近い作品を造られるそうです。
外部リンク: 京焼・清水焼窯元 陶あん(とうあん)
やっぱり美しいものは見ていて飽きないですね。
では、機会があったらまた今度。
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